再び『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のこと
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(Avengers: Infinity War)
ネタバレ。
ルッソ兄弟によるアベンジャーズ3作目はまるで「高速のONE PIECE」のようだった。『ONE PIECE』が(先人達の作品に学び)自身の語りの必然として組み立ててパターン化したものに近い、と言ったほうがいいのかもしれない。王道への忠心と貪欲な膨張が『ONE PIECE』にパターンを作ったのなら、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、必然の圧縮によって、更にその先を。結果として二つ似てるやん、みたいな。
- 登場人物がめちゃ多い。
- 各メンバーの活躍のために、ラスボスの下に敵キャラを取り揃える。(過去を掘り下げなくても)ちょうど気になるぐらいの、能力と見た目のバリエーション。バランスを考えたらこうなっちゃうという、だいたい五人ぐらいという塩梅。
- 俺たちが今回の敵だぜみたいな、全員でワンフレームにおさまって決めてくれる場面がある。
- 味方と敵をぶつけあわせて、余った分はラスボスへ回す。(結果として、最終形態を引き出す、体力を削る役)
- ラスボスへのそれぞれの能力を活かした全員攻撃。
- 総力戦がある。
- 戦況がめまぐるしく変わる。
- 最高戦力同士はなかなか出会わない。
- 最高戦力は遅れてやってくる。
- タイムリミットがある。クライマックスを更新しながら持続させる。
- 敵、味方ともに、目的達成の為のタスクが明確である。小ユニットごとにそれぞれの仕事が割り振られている。
- 同時進行タスクの多さ。
- 目的達成の過程において、メンバー同士の関係性に変化が生まれる。
- メンバー個々の主題にまつわるエピソードが用意されている。(ほぼ全員)
- いろんな島(星)に行く。
- 目的達成の方法が、訪れた先の因縁や、自身のルーツに関わるものとなる。つまり「旅」とは、訪れる者、招く者、双方に変化をもたらす。
- 敵側の「各島(星)で必要なものを集める」に、対となるものとして、「各島の悲願を主人公達が受け継ぐ」(或いは次の目的地に繋ぐ)。
- 以上を、交通整理しながら、且つカタルシスを損なわないように、最短で処理する。
どうでしょうか。